看護師の求人倍率と離職率

看護師不足であることは、事実なのですが、看護師の求人倍率は、他の業種と比べてそれほど高くないように思われます(求人倍率は1より小さいと求職者の数が多くなり仕事探しが難しくなることを示します)。求人倍率の高い業種は建築業で約10倍だと言われています。二位に保安業、三位に医師・歯科医師・獣医師・薬剤師が6.7倍でランクインされているそうです。介護士が2.9倍で12位。看護師は、なん2.56倍で22位です。
都道府県別の求人倍率をみると、0.99倍の青森県、1.32倍の高知県など求職者の方が多い地域もあります。愛知県の求人倍率が4.4倍とかなり地域による偏在もあります。看護師不足と言われている割に、求人倍率が高くない、とても不思議な現象です。
 では、この理由を解き明かすために、離職率を見てみましょう。厚生労働省の調査結果を引用します。まず、他の業種と比べると、離職率1位は、宿泊業で53%、医療福祉現場の離職率は、第5位(38%)です。病院だけに絞ると、大規模病院ほど離職率が低くなることが、統計的に明らかにされています。具体的に2015年の病床規模別の常勤と新卒の看護師の離職率をみると、99床以下の小規模病院は12.3%と13.9%ですが、500床以上の大規模病院で10.2%と7%と、離職率に大きな差が出ています。かつて大量採用に力を入れていた大規模病院が、少子化で看護師の供給に限りがあるなか、定着率の向上によって看護師を確保する動きが、確実に生まれつつあります。
どの業界でも同じですが、大規模であるほど労働条件が良く、そして辞めない。小規模で労働条件が厳しいほど人が辞めていくという状況が看護職にも当てはまり、大量採用しない大規模病院の影響が求人率に結びついていると思われます。

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