一昔前は「乖離性障害」という病名は聞いたことがありませんでした。それは医療関係者にとっても同じで、とにかく罵ってくる患者さんや足が動かないということで入院していた患者さんが夜中に起き出して歩いていたなど、看護師さんたちにも「患者さんだから」というだけで耐えてきたこともたくさんあるそうです。

とくに患者さんが作り出す心の闇を見るのは、看護師さんにとって何よりも辛いことだそうです。看護師さんも人間ですから、そういった患者さんに支配されたり、のめり込んだりしてしまうそうです。何度も何度も怒鳴られていたら誰だって恐怖を感じますし、洗脳されたような気持ちになるのではないでしょうか。どんな看護の訓練を積んでいても、その闇は忍び込んでくるそうです。

意地悪なことをいう患者さんや、暴言を吐く患者さんに対しても「病人だから優しくしなくては」という思いが消えないそうです。けれどベテランになるにつれ、その態度に慣れるときもくるし、優先順位をつけることもできるようになるそうです。一方で、仲間と上手くいっていない看護師さんは、そういった患者さんに狙われたりもします。

仲間の存在はとても大切です。何でも語り合えるとまえでは言いませんが、仲間内で困ったこと、辛いことがあったら打ち明けられるチームワークは持ちたいものだといいます。もちろん、ベテランの方もたくさんいるし、修羅場をくぐっている先輩たちもたくさんいます。一人で抱え込まないように助け合っていこうという思いも看護師さんたちの間にあります。

なにより、看護師さんは次の看護師さんを育てるというのも大事な使命だといいます。意地悪な患者さんは、人間関係の切れ目を見ているといいます。仲間や先輩に相談すること。そしてハラスメントをされたと感じたら、そういう窓口に相談するのを怖がることのないようにしましょう。